Good Life TailorーOldie Soldieのブログ

身の回りにある良いモノを題材に、ちょびっと掘り下げて、感動宿る彩りあるライフスタイルを。

ポップネス・クレイジネスの共依存

昨日の記事とは打って変わって、気を取り直して行きましょう!

 

 

ペプシ・コーラ

もちろん知ってますよね笑

 

僕は個人的にはコカ・コーラよりも好きです。

香料の違いでしょうか、甘さの感じも微妙に好みが分かれるところだと思います。

 

 

そんなペプシ・コーラの貴重なラジオCMを見つけてしまったのでご紹介。

 


1930年代のペプシコーラのラジオCM(アメリカ)

 

 

よく残っていたなぁというのが正直な感想ですが、この陽気な音楽、たまりませんね。

 

元々のルーツとしては消化不良の薬としての物だったみたいですが、今では世界的なベストセラー。

 

ちなみに60年代のものも見つけました。

 


60s Pepsi COME ALIVE! II RETRO CLASSIC TV COMMERCIAL 1960s

 

 

1960年代というと、カルチャー的には50'sを引きずる時代感覚ですね。

第二次世界大戦後の平和を享受していた時代(“アイゼンハワーの昼寝”)の次代への希望とアメリカの浮き足立った軽快な雰囲気が伝わってくるようです。

 

 

 

30〜5・60年代のアメリカのポップミュージック(この時代にポップとかアンダーグラウンドとかいう尺度が適切かは置いておいて)って、得も言われぬ闇があると思うんですよね。

 

それは軽快な金管なのか、聞こえるか聞こえないかのドラムなのか、はたまた飛び跳ねるシャッフルビートなのか、コーラスなのか。

 

 

 

どこに起因するかは全然わかりませんが、ポップさの中に息づく狂気が感じられるんですよね。

上っ面だけのポップミュージックとは違うというか、会いたくてすぐ震えたりしないというか。

 

 

 

初期ディズニーみたいな、狂気のエッセンスが絶妙なスパイスとなって振りかかってる感じ。

いやー好きですねー。

 

 

 

 

 

 

そうそう、ペプシとコカコーラ。

どちらも非常に有名ですが、ちょっと面白いのがこの画像。

 

f:id:OldieSoldie:20160413005828j:image

引用元:ペプシとコカコーラのロゴの移り変わりを比較した図 - GIGAZINE

 

これ、結構凄いことですよね。

Coca Colaの完成されたロゴは、今でも色々なところでオマージュをされたりと、色褪せない風格を漂わせてます。

起案者は天才ですよ本当に。

 

 

Pepsi Colaは試行錯誤の歴史が見て取れます。

頑張ってきたんでしょう、いやもう応援したくすらなります。

ちなみに僕は1950年と1973年のが好きですね。

奇しくも好きな年代のロゴを選んでしまうあたりが、ちょっと安心しました。

 

 

 

 

 

 

 

あ、そうそう、狂気のエッセンスが振りかかってる音楽といえば、良い機会なのでご紹介したいのがこちらです。

 

Lucia Pamera

f:id:OldieSoldie:20160413010633j:image

「ソングス・イン・ザ・キー・オブ・ゼット」にて紹介された事で極地的に知名度を上げた(?)、1926年度、ミス・セントルイスに輝いた美おばさん、ルチア・パメラにより録音された歴史的なアルバムが本作。オリジナル盤はハリウッドのマイナー・レーベル、ガルフストリーム・レコーズからのリリースで約500枚プレスされたものの発見されたのは2、3枚。全パート二分の一拍足りない一人多重録音で銀河系スキャット!!正しく狂ってます。

引用元;http://diskunion.net/latin/ct/detail/RS110928-AA-11

 

まずは一聴あれ

 


Lucia Pamela - Walking on the moon


Lucia Pamela - Flip, Flop and Fly


Lucia Pamela - Dear Me


Lucia Pamela - Moontown

 

 

 

どうでしょう、上記のディスクユニオンのレビューの通り、“正しく狂って”ますよね。

 

 

浮遊感とどこか閉塞感のあるオケ、だみ声やスキャットなどを織り交ぜた独特の節。

空気感までもが伝わって来るような、この音源に込められた狂気、まさにクレイジーポップ。

 

 

 

 

それもそのはず、この音源、ルチア・パメラ本人曰く、

 

 

 

 

 

 

 

月面でレコーディングしたのだそうですから

 

 

 

 

 

 

信じるか信じないかは、あなた次第。

 

たまにはこんな終わり方も一興ということで。

 

ではまた。

 

ezk

"アンチセルアウト"が世間に残す爪痕

ブームという現象自体はあまり好きじゃないんですけど、元々アンチセルアウト(セルアウト:社会へのメッセージ性を排し、商業的な成果だけを求める行為を指す用語/引用元:weblio)なスタンスでやってきた先人の功績がブームという形でオーバーグラウンドに残した爪痕としてのそれは好きですし、語り継がれる文脈の中の大切な見出しにでもなればそれは意味があることなんだ、と思ってます。



正直なところ、今のファッション業界を憂うほどの見識もなければ、偉ぶるほどの気質もないのですが、こと"モノの見方"という観点で言えば非常に寂しい思いをしています。



今回はいつになく暗いイントロダクションで始まりました。




 

春ですね!
お花見はしましたか?
僕がふと目をやる心持ちが出来た頃には、もう散ってました、何かの暗示ですかね!





"ブーム"(boom)
1 ある物が一時的に盛んになること。急に熱狂的な人気の対象となること。「―を呼ぶ」「サッカー―」
2 急に需要が増して価格が急騰すること。にわか景気。「土地―」
引用元:goo国語辞典


最近というか、それこそ"モノ心"が付いた20歳前後からずーっとこれについて考えている気がします。


僕は良いモノが好きですし、それを作る人、売る人、価値を共有出来る人、そして彼らの心意気に本当にリスペクトを感じます。


だからこのようなモノと人に焦点を当てたブログを書いて、ちょっとでもそういう価値観を共有出来ればなと思っていたりします。


そして、そういった価値観はもちろん主観ですので、当然人に押し付けるべきではないと思うんですけど、


ですけど!!

作り手にも売り手にも共感してないのに、ただ与えられた一元的な情報を元に判断を"強要"されて、"買わされ"てしまう今の世の中はあんまり馴染めません。





他にあんまり良いネタが思い付かないので、もうしょうがなく例を出しますけど、




SUPREME
f:id:OldieSoldie:20160412002625g:image

あ、間違えた。

f:id:OldieSoldie:20160412002636j:image

シュープリーム
シュプリーム
シュプ
サプリム


もうね、時代を席巻してるビッグブランドですよね。街中で見ない日はないでしょう。

1994年に、STUSSYを取り扱っていたUNIONというセレクトショップを手伝っていたジェームス・ジャビア(ジェビア)氏によって設立されたスケートとその他周辺カルチャーを飲み込んだストリートブランドの雄です。

西海岸のSTUSSY東海岸のSUPREME

うん、僕も大好きです。
人の心を掴むプロダクトは多いですし、コラボの多様さやそのフックの効いたジョイントワークの姿勢は、本当に目を見張るものがあると思ってます。



でも結局のところ、1番"売り"にしてるBOXロゴも、SUPREMEの"完全な"オリジナルではないわけです。

f:id:OldieSoldie:20160412002625g:image
よく似てますよね。SUPREMEと。

Barbara Kruger
バーバラ・クルーガー
ボックスロゴの元ネタのバーバラ・クルーガーは1945年アメリカ生まれの女性で反商業主義者のコンセプチュアル・アーティスト。広告のコピー・ライターの後、アーティストに転向した。アプロプリエーション(…盗用芸術。「流用」や「私有化」など、「コラージュ」より過激で「オリジナリティ」を絶対視する近代芸術観への嘲笑、皮肉する技法)したモノクロの写真を背景に、「怒り・攻撃的」など強いエネルギーや、目立たせる特性がある「赤色」のボックスの中に言葉を加えたシンプルなデザインにする事で強烈なメッセージ性をもたせた作品が特徴。
大量生産・大量消費の現代社会であらゆるイメージが記号化され「オリジナル」と「コピー」の境界線が曖昧になる中、既存の作品から素材や表現を盗用・借用して作者なりの新しい見せ方を生み出そうとした美術運動「シミュレーショニズム」の第一人者。
引用元:ボックスロゴはパクりなのか。シュプリームとバーバラ・クルーガー | info & blog undetroze
SUPREMEとBarbara Krugerの関係についてはこちらの引用元の方の記事がお詳しいです。


僕が書きたいのはそこではないので、前提情報を引用させていただきました。





知らないことは決して悪いことではないけど、自分が知っていることが全部だと思っている消費マインドは正直好きません。
※マインドが好きではないだけで、そのマインドを持った人が悪いとか嫌いとかそういう話では決してありません。


インターネットやSNSの普及で、全部の情報が手に取るように錯覚することもしばしばですが、そんなことは決してないんですよね。


こういう情報感って誰でも感じてるんじゃないでしょうか。





ブーム
冒頭で触れましたが、一時的な人気の上昇によって、大切な文脈がないがしろにされて世間に伝わるとしたらそれはあんまり好きではありません。


「今の世間は、人がブームに乗って物を買うときには、ストーリーも文脈も要らないんだよ」


先日友人にこんなことを言われました。
確かこんな内容だったかと。


なるほど確かに"ブーム"というフィルターがある以上、ストーリーや文脈は判断材料としてあるといいかもしれないけど、余分、ですよね。


感心する一方で、"約束された安心"にお金を払うってことは、合理的な気もしてしまう。

そりゃあ今の時代、計算する前から証明がされていれば、それで済んでしまいますよね。


誰かが記した"証明終わり"にお金を払う感覚


これがここ7年くらいの違和感の正体なのかなぁと思っています。
あぁ年がバレてしまう。

これは、服とかファッションのみでなく、食べ物や飲み物、電化製品や嗜好品など、人が作りし人のためのマスターピース全てに当てはまる気がするのです。



うん。



SUPREMEに原因があるとか、上に書いたみたいな消費マインドが悪いんだとかそんなことを書くつもりは決してないんです。

ただ、そうなってしまった文脈が、個人的にはなんだか寂しいなぁと思ってしまうこの頃です。




なんかあんまりお伝えすることがなくてすみません。物思いに耽る春この頃です。

この記事は駆け抜けるように書いたのでいつか消したり、修正したりすると思います。
でも大切なことだと思ったので書いてみることにしました。

価値観の押し付けはするのもされるのも嫌いですが、それでも僕がこの手で握手出来る人全員くらいとは、しっかりとそれを等価交換してお互い人生楽しいねって言ってられる人でいたいです。



こんな駄文を最後まで読んでくださったあなたとは、ぜひいつか握手したいなと、思います。


ではまた。

ezk


竹馬の友とも誰とでも"BICYCLEトランプ"

f:id:OldieSoldie:20160308001006j:image


あのー別にネタに困ってるわけではありませんよ。


こういうのも紹介してこそと思ってのご紹介です。

冒頭の写真には他にもご紹介したいグッズがたくさんありますが、あえて、です。



BICYCLEトランプ

U.S.プレイングカード社のブランドで、パッケージには"TRUSTED SINCE 1885"とあります。
これまた歴史ありますねー。

トランプ(欧米ではプレイングカードと呼ばれ、トランプは本来"切り札"のような意味で、日本でのみなぜかトランプと呼ばれているようです)のそもそもの起源には諸説ありますが、中国など東方で発祥し、西アジア付近から十字軍などを介してヨーロッパに伝わったのではと言われています。

他にも古代エジプト説やインド説などあるらしいです。




さてこのBICYCLEトランプ

世界中で長く愛されているロングセラーとなっております。

手品師の商売道具としても非常に有名で、
トランプの中のトランプというイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。


その特徴としては、シャッフル時やカード遊びでも役に立つ、その手滑りの良さに尽きます。

プラスチック製もありますが、基本的には紙製のカードをコーティングしてエンボス加工が施されています。


よく手品師が見せてくれるリボンスプレッドもこの加工ならではのやりやすさがあります。

f:id:OldieSoldie:20160308002836j:image

(良かった上手く出来た・・・!)


トランプってこの、なんともいえない禍々しいアートワークがまた堪りませんよね。
ポップなんだけど、どこか不吉な雰囲気があるという感じでしょうか。
それだけでも部屋に置いておきたくなっちゃいます笑。


カラーバリエーションも豊富で、絵柄も色々出てます。



僕のはこんな感じ

f:id:OldieSoldie:20160308003159j:image

個人的にはクローバーのジャックがツボです。



ちなみに、中に入っているギャランティ兼ジョーカーのカードは、ブランド名の通りBICYCLE(自転車)がプリントされてます。
f:id:OldieSoldie:20160308003246j:image


質も遊び心もふんだんに盛り込まれたアメリカ物っぽさがBICYCLEの良さですね。



自宅に友人を呼んだときなど、間が空いたらとりあえずトランプをやっちゃいます。

気の合う仲間や友人とトランプって、大人になっても"なんかいいな"って思っちゃうんですよね。

f:id:OldieSoldie:20160308003629j:image


うん、"なんかいい"っすよね。

誰にでも親しまれる遊び道具だからこそ、ちょっとこだわって選んで、長く使うのもいいですよね。


ちなみに僕は今、近所の古着屋さんに置いてある40年代のデッドストックのトランプを検討中です笑。コレクション用に笑。


ではまた。


人とは違った腕時計が欲しい"CITIZEN チャレンジタイマー"

お久しぶりです。

自分の持っているものと言えど、いざ書こうとなると深掘りし過ぎてなかなか筆を取るまでに時間がかかってしまいます。すみません。


今回はこちらです。


CITIZEN CHALLENGE TIMER
f:id:OldieSoldie:20160307145226j:image

一風変わったデザインが目を惹きますね。
その違和感の原因はまず間違いなく、リューズとプッシュボタンがサイドではなくケース上部に付けられているという点でしょう!



その特徴的な形状から、"フジツボ"/"ヘルメット"などの呼称があります。



これはCITIZENのヴィンテージウォッチとしては非常に人気があるモデルで、70年代の代物になります。


ダイヤルやケースにも様々なカラーバリエーションが出ているため、ヴィンテージウォッチ屋さんに行っても2つと同じモデルはなかなかないと思います。


気に入っているポイントは
  1. リューズとプッシュボタンの配置が特殊
  2. クロノグラフ用の針がシルバーダイヤルに映えるスポーティなオレンジカラー
  3. 時計機能・クロノグラフ機能・デイデイト表示
  4. 時代を感じさせる戦車にインスパイアされたキャタピラベルト
  5. 機械式(自動巻)時計というロマン



僕は仕事柄、社会人になったタイミングや、お金に余裕が出来たタイミングで色々な友人から時計の相談をされますが、歴史ある国産メーカーのヴィンテージっていうのも乙です。


ちなみに僕は、最初に買う"良い時計"だったらまず間違いなくHAMILTONをオススメしてます。
値段・歴史・デザイン・クオリティどれを取ってもバランスが良く、まぁ後悔はしないです。

自身ではHAMILTONのジャズマスターを所持しておりますので、いずれご紹介しますね!








確かにヴィンテージは人と被らないし良さそうだけど、値段が気になるなぁ・・・



ごもっともです。

とはいえヴィンテージウォッチも値段は幅広いです。
¥30,000〜¥うん百万まであります。


ちなみにこのチャレンジタイマーは、だいたい¥6万くらい。

意外と安く感じられるのではないでしょうか?


f:id:OldieSoldie:20160307151127j:image

付けた感じです。
フォーマルに合わせるのはちとハイレベルですが、このようにカジュアルなセーターや例えばTシャツスタイルに合わせると、持ち前のスポーティ感とボリューム感で男の手元を格上げしてくれます。


ちなみに曜日表示は、英語とスペイン語(たぶん笑)が交互に出てくるので、海外モデルっぽいです。




機械式時計は、クオーツ(電力で中の人口水晶を震度させて駆動するタイプ)式時計に比べて、オーバーホール(よくO・Hと表記されます/3〜5年周期くらいでいいと思います)にかかる維持費も嵩むことが難点でもありますが、長い年月を掛けて身につけるタイムピースを、手入れしながら愛着を持って使い続けるのも楽しいものです。



ではまた。

極限状態で難なく使える「Fisher"スペースペン"」

まとまった時間が取れたので、連投していきます。


今回ご紹介するのは、実はいただき物なのですが、こちらです。


f:id:OldieSoldie:20160124153018j:image

珍しくアパレル系ではなく、ボールペンです。

アメリカはFisher社のスペースペン"Astronaut AG-7"

Fisher スペースペン アストロノート AG-7

Fisher スペースペン アストロノート AG-7





す、すぺーすぺん、


なんのことやら




実は名前の通り、宇宙で使えるボールペンなんです。

Fisher社がNASAより 「宇宙でも書けるペンを」という依頼を受け1968年に開発されたフィッシャー社のスペースボールペン。-34℃~+121℃の温度差にも耐え、水中、上向き、さらに無重力状態においてもその書き味は変わらない。
Amazon商品ページより引用

まぁ普通に考えて、



そもそもボールペンって宇宙で書けないの?


という声が出てきそうですが、基本的に普通のペンは無重力下では書けません。
重力がないと、インクが下がってこないんですね。上向きで書いているとそのうち掠れてくるのはそういうことですね。



f:id:OldieSoldie:20160124153609j:image

専用のペン芯の後方には窒素ガスが込められており、特殊なインクを用いることで、常にペン芯内の圧力を一定に保ち上向きでも水中でも書けてしまうという代物です



パッケージの表面はこんな感じ

f:id:OldieSoldie:20160124153857j:image

ロマンが詰まってますね。



NASAが依頼した(※実際には依頼はなく、Fisher社が自主的に開発したものをたまたまNASAが採用したという説が濃厚らしいです)ということで、実際には宇宙で本当に使われておりまして、

かの有名な人類初の有人月面着陸"アポロ11号"のアームストロング船長もこのモデルを使用していたようです。



まぁこんだけの高機能のボールペンですが、僕も普段愛用していて本当に書きやすく満足してます。
ペンの書きやすさにおいて重要な後方の重さの配分も絶妙で書いていて疲れません。



残念ながら幸いにも、まだ極限状態で書かなければいけない状況には陥っておりませんが。




今日はこんな小噺をお別れのご挨拶に。



アメリカのNASAは、宇宙飛行士を最初に宇宙に送り込んだとき、
無重力状態ではボールペンで文字を書くことができないのを発見した。
これではボールペンを持って行っても役に立たない!
NASAの科学者たちはこの問題に立ち向かうべく、10年の歳月と120億ドルの開発費をかけて研究を重ねた。
その結果ついに、無重力でも上下逆にしても水の中でも氷点下でも摂氏300度でも、
どんな状況下でもどんな表面にでも書けるボールペンを開発した!!

一方、ソ連は鉛筆を使った。
引用元:Junkyard Review


実際にここまでの機能を携えたものを日常で使うというのは、過剰かもしれませんが、それでも尚、先人が人類の歴史的偉業を支えるために注ぎ込んだ努力と研究の賜物に敬意を払うという生活は、いつも人生を豊かにしてくれます。




ちなみに、冒頭でペンの後ろに写り込んでいる、
"ヴィンテージの教科書"という別冊Lightningの特別編集号なのですが、なんと今品薄状態で高騰しているようです。
内容は非常に濃く読んでいて飽きないので、もし古着好きな方で、どこかで見つけられましたら、持っておくことをオススメします。


ではまた。

ezk

LEEの過去、知ってました?

明けましておめでとうございます。
気付いたら1ヶ月空いてしまいました。


今回ご紹介するのはこちら。
f:id:OldieSoldie:20160124145506j:image
LEE
191-LB

LEE
今ではカジュアルウェアやデニムウェアの大手として知られているLEEですが、そもそものスタートはなんと食品加工メーカーでした。



マジすか



マジす




なのでその頃のブランドタグには、食品加工メーカーの名残として"ハウスマーク"が残ってます。
f:id:OldieSoldie:20160124151434j:image
※拾い画像です。すみません。


僕が参考にしている資料にも、

"突然ワークウェアを作り始め、カウボーイ向け製品を作り始めるなど"


と、いささか困惑した様子で記述があります。

先見の明で時代をリードしてきたということでしょう。




さてこのLB-191

アメリカ古着で言うところの割と定番アイテムですね。
割と軽めのoz(オンスと言ってデニムの厚さの単位のようなものです)で、そんなゴツゴツはしてなくて今風の着こなしにも取り入れやすく、丈も短いので野暮ったくはならないです。




ブランドタグはこんな感じ。
f:id:OldieSoldie:20160124150035j:image
"◯の中にR":レジスターマーク
登録商標マークですね、50年代くらいからこの登録商標の概念が浸透してきたようです。

ちなみにその右にある"M.R."というマークが入っているものは、大体70年代初期ものですかね。

f:id:OldieSoldie:20160124150626j:image
胸元のTALONジップの形からしてもその辺かと。

TALONジップ
1913年に世界初のジッパーを開発したHOOKLESS社が1937年に改名した後のジッパーメーカー。
由緒ある大手メーカーで、このジッパーの形を見ることである程度の年代がわかったりします。その形のレア度で古着としての価値がグンと上がることもしばしばです


ちなみにLB-191の"L"は"ライニング"を意味しており、裏地が付いてるモデルということを示しているようです。
f:id:OldieSoldie:20160124151651j:image
僕のはこんな感じ。
真っ赤なキルティングで結構あったかいです。
薄手で嵩張らず、よく考えられてます。

一般的には横縞のブランケット張りの物が多く人気ですが、個人的にはこっちのキルティングの方が着膨れしなくて好みです。



冬用ということで、ハンドウォームポケットも付いてます。

f:id:OldieSoldie:20160124151858j:image


この角度と形がね、マジで絶妙なんです。



今では似たようなブルゾンをたくさんのメーカーが作ってますし、ドンドン防寒性や形も洗練されてきてますが、それらのオリジナルとしての風格を漂わせるアイテムですね。



様々なブルゾンのルーツとなる名作を生んだ当時のLEEの姿勢に乾杯です。
着る人のことを本気で考えて、必要最低限ギリギリの機能を持たせて、無駄のない作り、さすがですね。


LEEは今は日本のEDWIN傘下となっておりますが、当時の復刻なども定期的にやっているので、気になったらお近くのLEEショップへGOです!


ちなみに今回のオリジナルのLB-191は、名古屋は大須の老舗"Feeet"でゲットしました。


スタッフさんもとても気さくで、親身に商品を探してくださいます。
お近くにいらっしゃることがあれば、ぜひ。



ではまた。

ezk

ロマンを身に纏う 「ワークシャツの回」

今回は前回からのワークウェア繋がりでこちらを。

f:id:OldieSoldie:20151206182230j:image
SugarCaneからMr.Freedomの長袖シャツ、いわゆるワークシャツに分類されるものですね。
何の変哲もないシャツに見えますが、実は面白いこだわりがたくさん詰まっているんですよ。


今回はそこから一部ですが紹介してみたいと思います。


普通のシャツもこうやってひも解いてみると面白いものです。


SugarCaneといえば、あのTOYO ENTERPRISE社が手がけるワークウェアブランドとしてご存知の方も多いのではないでしょうか。


1900年~1950年辺りのバリバリのアメリカのワークウェアをモデルにしている為、結構武骨で男臭いです。
でもだからこそ時代を超えても飽きが来ず、とてもタフなんです。


そのSugarCaneがアメリカンヴィンテージを知り尽くしたとされる伝説のデザイナー、クリストフ・ルアロン氏とタッグを組んで立ち上げたのが、このMr.Freedomというブランドです。


長々と難しいことを書きましたが、要するに、アメリカンヴィンテージの要素を緻密に落とし込んだ服作りをしているブランドんです!
ここでもアメリカ好きはブレません笑


ちなみに、ルアロン氏、こんな方です。
f:id:OldieSoldie:20151201193117j:image
渋いです。フリーダム感出てますね。
まさに“Mr.Freedom”笑

L.Aには彼のお店があるらしいんですが、店内はこんな感じだそうで。
f:id:OldieSoldie:20151201193728j:image


ヴィンテージウェアのテーマパークやー!!!
(あれ、彦摩呂さんみたいにうまいこと言えない・・・)


これだけそろっていると、ヴィンテージウェア好きじゃなくてもクワクしてしまいませんか?



だいぶ脱線しましたがそろそろ本題に。



私がこのシャツを購入したのが2009年。

上京したての田舎者が、偶然服屋でめちゃくちゃ格好いシャツを見つけ、詳細なんてよく分からないまま購入し、なんだかんだでもう8年近く着ております。


このシャツ、大まかにいうとワークシャツに分類されるんですが、正式にはメカニックシャツと名付けられておりまして。

当時のMr.Freedomのテーマは“SPEED SAFE CLOTHING for MODERN RIDERS”ということでしたので、そのままですがメカニック(メカニック(メカニック)とは - コトバンク)の為のシャツになるわけです。



“メカニックシャツ”なんて名前からして格好良い!!!


しかも、タグ部分にちゃんと“mechanic shirts”って印字されているんですよ!(水色の所、ちょっと見づらいですが)
f:id:OldieSoldie:20151201194348j:image
こういう粋なはからい、たまらないですねー。


襟の形からするに40年代のシャツをモデルにしているのかなと思ったのですが、チンストラップが2つ穴式なので30年代の要素も含んでいるのかなと。
f:id:OldieSoldie:20151206141416j:image
こんなこと言ってますがヴィンテージに関しては奥が深すぎてまだまだ知らないことばかりです。
詳しい方教えてください。


ちなみにチンストラップとはここのことですね。2つと言えば2つ。うーん、どうなんでしょう。
f:id:OldieSoldie:20151206141433j:image
ワークウェアではよく見かけるデザインですが、防風防塵のための工夫です。


ボディはフランスの杢シャンブレー(シャンブレー(シャンブレー)とは - コトバンク)を使用。
f:id:OldieSoldie:20151206175838j:image
アメリカンヴィンテージなのにフランス?と疑問に思いましたが、フランスも多くのワークウェアを生み出しているんですよ。


このマークでおなじみのDANTON、
f:id:OldieSoldie:20151206174236j:image

画像出典:DANTON | BRAND | Bshop inc.(ビショップ)


ボーダーでおなじみのORCIVAL、
f:id:OldieSoldie:20151206175114j:image


ちょっと無骨なChevre
f:id:OldieSoldie:20151206175408j:image

なんかは有名ですよね。
この辺のワークウェアについてはまた機会を見て書きます。


アメリカンヴィンテージを再現したブランドですが、敢えてフランスの生地を再現して使用してくるあたり、流石だなあと思ってしまいます。
無骨過ぎない生地でちょっと温かみのある感じが素敵でしょ?


台衿裏(そのままですが衿の裏です)にはデッドストックの生地を使用しています。(だいぶあたりが出ちゃってますね笑)
f:id:OldieSoldie:20151206143849j:image
おい、デッドストックってよく聞くけどなんぞ?という方、色々調べてみたらどうやらこういうことみたいです。
その当時のまま、未使用で残されたもの。当然、中古に比べて貴重ゆえに価格は高い。


残念ながらこのデッドストックの生地が何年代のものなのかは分からなかったのですが、こういうところに時間のロマンを感じてしまうんですよね、私は。


一つ一つ見えないところにまでこだわって作られているんですよね。
作り手の熱意が見て取れる部分です。


さらに細かいところを見てみると、ボタンが付いている部分の裏側、つまり前たて裏はインディゴポプリンが使用されています。
f:id:OldieSoldie:20151206144011j:image
ポプリンの説明に関してはこちらをどうぞ。
俗にブロードと呼ばれる生地ですが、こんな可愛らしい名前からは想像もできないくらいなんともマッチョな生地です。
それをデニムにも使われるインディゴで染めたものを使っているというわけです。



ボタン部分って着るたびに何度も触りますよね。
とにかく弱くなりやすい場所なんです。


そんな部分に頑丈なポプリンを使ってあげると、長年駆使しても破けたりしないわけです。
非常に実用的且つ合理的な作りになっています。


補強ついででいうと、こうやって
f:id:OldieSoldie:20151207192412j:image
3本のステッチで縫ってあるワークウェアはよくありますが、縫い目から破れたりしないようにするための工夫です。


右のポケットなんかもメカニックの人が作業中にペンを刺せるよう、こんな作りになっていたりします。
f:id:OldieSoldie:20151206233823j:image

本当に色んな工夫がされているんですよね。


他にも、猫目ボタン
f:id:OldieSoldie:20151206232638j:image


ヨークの形
f:id:OldieSoldie:20151206232655j:image
などなど書けることは山ほどあるのですが、それを全部書くと私このブログ一生書いているような気がするので、この辺で。

こういうディテールも調べてみると面白い物語があったりします。



何だか長々とお付き合いいただいちゃいましたね。


つらつらと色んなことを書きましたが、作り手の思想やこだわり、その物に宿る物語などを知ると、普段なんとも思っていなかった物事がちょっとだけワクワクするものに変わる気がします。
毎日が少しだけ楽しくなる気がします。


そしてそんな風にしっかりと作られた物であることを知れば、それらをより長く愛せるような気がしませんか?


本当に良いものは時代を超えて長く愛せるはずです。
良い物には良い理由が、物語があります。


そんなことを考えると、自分のクローゼットやデスクの上など、ちょっと見に行きたくなってしまいませんか?


実はこだわりの塊みたいなものがあるかもしれません!


ものすごーく長くなっちゃいましたが、今回はこの辺で。

それではまた。

H.I