Good Life TailorーOldie Soldieのブログ

身の回りにある良いモノを題材に、ちょびっと掘り下げて、感動宿る彩りあるライフスタイルを。

ロマンを身に纏う 「ワークシャツの回」

今回は前回からのワークウェア繋がりでこちらを。

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SugarCaneからMr.Freedomの長袖シャツ、いわゆるワークシャツに分類されるものですね。
何の変哲もないシャツに見えますが、実は面白いこだわりがたくさん詰まっているんですよ。


今回はそこから一部ですが紹介してみたいと思います。


普通のシャツもこうやってひも解いてみると面白いものです。


SugarCaneといえば、あのTOYO ENTERPRISE社が手がけるワークウェアブランドとしてご存知の方も多いのではないでしょうか。


1900年~1950年辺りのバリバリのアメリカのワークウェアをモデルにしている為、結構武骨で男臭いです。
でもだからこそ時代を超えても飽きが来ず、とてもタフなんです。


そのSugarCaneがアメリカンヴィンテージを知り尽くしたとされる伝説のデザイナー、クリストフ・ルアロン氏とタッグを組んで立ち上げたのが、このMr.Freedomというブランドです。


長々と難しいことを書きましたが、要するに、アメリカンヴィンテージの要素を緻密に落とし込んだ服作りをしているブランドんです!
ここでもアメリカ好きはブレません笑


ちなみに、ルアロン氏、こんな方です。
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渋いです。フリーダム感出てますね。
まさに“Mr.Freedom”笑

L.Aには彼のお店があるらしいんですが、店内はこんな感じだそうで。
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ヴィンテージウェアのテーマパークやー!!!
(あれ、彦摩呂さんみたいにうまいこと言えない・・・)


これだけそろっていると、ヴィンテージウェア好きじゃなくてもクワクしてしまいませんか?



だいぶ脱線しましたがそろそろ本題に。



私がこのシャツを購入したのが2009年。

上京したての田舎者が、偶然服屋でめちゃくちゃ格好いシャツを見つけ、詳細なんてよく分からないまま購入し、なんだかんだでもう8年近く着ております。


このシャツ、大まかにいうとワークシャツに分類されるんですが、正式にはメカニックシャツと名付けられておりまして。

当時のMr.Freedomのテーマは“SPEED SAFE CLOTHING for MODERN RIDERS”ということでしたので、そのままですがメカニック(メカニック(メカニック)とは - コトバンク)の為のシャツになるわけです。



“メカニックシャツ”なんて名前からして格好良い!!!


しかも、タグ部分にちゃんと“mechanic shirts”って印字されているんですよ!(水色の所、ちょっと見づらいですが)
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こういう粋なはからい、たまらないですねー。


襟の形からするに40年代のシャツをモデルにしているのかなと思ったのですが、チンストラップが2つ穴式なので30年代の要素も含んでいるのかなと。
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こんなこと言ってますがヴィンテージに関しては奥が深すぎてまだまだ知らないことばかりです。
詳しい方教えてください。


ちなみにチンストラップとはここのことですね。2つと言えば2つ。うーん、どうなんでしょう。
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ワークウェアではよく見かけるデザインですが、防風防塵のための工夫です。


ボディはフランスの杢シャンブレー(シャンブレー(シャンブレー)とは - コトバンク)を使用。
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アメリカンヴィンテージなのにフランス?と疑問に思いましたが、フランスも多くのワークウェアを生み出しているんですよ。


このマークでおなじみのDANTON、
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画像出典:DANTON | BRAND | Bshop inc.(ビショップ)


ボーダーでおなじみのORCIVAL、
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ちょっと無骨なChevre
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なんかは有名ですよね。
この辺のワークウェアについてはまた機会を見て書きます。


アメリカンヴィンテージを再現したブランドですが、敢えてフランスの生地を再現して使用してくるあたり、流石だなあと思ってしまいます。
無骨過ぎない生地でちょっと温かみのある感じが素敵でしょ?


台衿裏(そのままですが衿の裏です)にはデッドストックの生地を使用しています。(だいぶあたりが出ちゃってますね笑)
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おい、デッドストックってよく聞くけどなんぞ?という方、色々調べてみたらどうやらこういうことみたいです。
その当時のまま、未使用で残されたもの。当然、中古に比べて貴重ゆえに価格は高い。


残念ながらこのデッドストックの生地が何年代のものなのかは分からなかったのですが、こういうところに時間のロマンを感じてしまうんですよね、私は。


一つ一つ見えないところにまでこだわって作られているんですよね。
作り手の熱意が見て取れる部分です。


さらに細かいところを見てみると、ボタンが付いている部分の裏側、つまり前たて裏はインディゴポプリンが使用されています。
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ポプリンの説明に関してはこちらをどうぞ。
俗にブロードと呼ばれる生地ですが、こんな可愛らしい名前からは想像もできないくらいなんともマッチョな生地です。
それをデニムにも使われるインディゴで染めたものを使っているというわけです。



ボタン部分って着るたびに何度も触りますよね。
とにかく弱くなりやすい場所なんです。


そんな部分に頑丈なポプリンを使ってあげると、長年駆使しても破けたりしないわけです。
非常に実用的且つ合理的な作りになっています。


補強ついででいうと、こうやって
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3本のステッチで縫ってあるワークウェアはよくありますが、縫い目から破れたりしないようにするための工夫です。


右のポケットなんかもメカニックの人が作業中にペンを刺せるよう、こんな作りになっていたりします。
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本当に色んな工夫がされているんですよね。


他にも、猫目ボタン
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ヨークの形
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などなど書けることは山ほどあるのですが、それを全部書くと私このブログ一生書いているような気がするので、この辺で。

こういうディテールも調べてみると面白い物語があったりします。



何だか長々とお付き合いいただいちゃいましたね。


つらつらと色んなことを書きましたが、作り手の思想やこだわり、その物に宿る物語などを知ると、普段なんとも思っていなかった物事がちょっとだけワクワクするものに変わる気がします。
毎日が少しだけ楽しくなる気がします。


そしてそんな風にしっかりと作られた物であることを知れば、それらをより長く愛せるような気がしませんか?


本当に良いものは時代を超えて長く愛せるはずです。
良い物には良い理由が、物語があります。


そんなことを考えると、自分のクローゼットやデスクの上など、ちょっと見に行きたくなってしまいませんか?


実はこだわりの塊みたいなものがあるかもしれません!


ものすごーく長くなっちゃいましたが、今回はこの辺で。

それではまた。

H.I