Good Life TailorーOldie Soldieのブログ

身の回りにある良いモノを題材に、ちょびっと掘り下げて、感動宿る彩りあるライフスタイルを。

"アンチセルアウト"が世間に残す爪痕

ブームという現象自体はあまり好きじゃないんですけど、元々アンチセルアウト(セルアウト:社会へのメッセージ性を排し、商業的な成果だけを求める行為を指す用語/引用元:weblio)なスタンスでやってきた先人の功績がブームという形でオーバーグラウンドに残した爪痕としてのそれは好きですし、語り継がれる文脈の中の大切な見出しにでもなればそれは意味があることなんだ、と思ってます。



正直なところ、今のファッション業界を憂うほどの見識もなければ、偉ぶるほどの気質もないのですが、こと"モノの見方"という観点で言えば非常に寂しい思いをしています。



今回はいつになく暗いイントロダクションで始まりました。




 

春ですね!
お花見はしましたか?
僕がふと目をやる心持ちが出来た頃には、もう散ってました、何かの暗示ですかね!





"ブーム"(boom)
1 ある物が一時的に盛んになること。急に熱狂的な人気の対象となること。「―を呼ぶ」「サッカー―」
2 急に需要が増して価格が急騰すること。にわか景気。「土地―」
引用元:goo国語辞典


最近というか、それこそ"モノ心"が付いた20歳前後からずーっとこれについて考えている気がします。


僕は良いモノが好きですし、それを作る人、売る人、価値を共有出来る人、そして彼らの心意気に本当にリスペクトを感じます。


だからこのようなモノと人に焦点を当てたブログを書いて、ちょっとでもそういう価値観を共有出来ればなと思っていたりします。


そして、そういった価値観はもちろん主観ですので、当然人に押し付けるべきではないと思うんですけど、


ですけど!!

作り手にも売り手にも共感してないのに、ただ与えられた一元的な情報を元に判断を"強要"されて、"買わされ"てしまう今の世の中はあんまり馴染めません。





他にあんまり良いネタが思い付かないので、もうしょうがなく例を出しますけど、




SUPREME
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あ、間違えた。

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シュープリーム
シュプリーム
シュプ
サプリム


もうね、時代を席巻してるビッグブランドですよね。街中で見ない日はないでしょう。

1994年に、STUSSYを取り扱っていたUNIONというセレクトショップを手伝っていたジェームス・ジャビア(ジェビア)氏によって設立されたスケートとその他周辺カルチャーを飲み込んだストリートブランドの雄です。

西海岸のSTUSSY東海岸のSUPREME

うん、僕も大好きです。
人の心を掴むプロダクトは多いですし、コラボの多様さやそのフックの効いたジョイントワークの姿勢は、本当に目を見張るものがあると思ってます。



でも結局のところ、1番"売り"にしてるBOXロゴも、SUPREMEの"完全な"オリジナルではないわけです。

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よく似てますよね。SUPREMEと。

Barbara Kruger
バーバラ・クルーガー
ボックスロゴの元ネタのバーバラ・クルーガーは1945年アメリカ生まれの女性で反商業主義者のコンセプチュアル・アーティスト。広告のコピー・ライターの後、アーティストに転向した。アプロプリエーション(…盗用芸術。「流用」や「私有化」など、「コラージュ」より過激で「オリジナリティ」を絶対視する近代芸術観への嘲笑、皮肉する技法)したモノクロの写真を背景に、「怒り・攻撃的」など強いエネルギーや、目立たせる特性がある「赤色」のボックスの中に言葉を加えたシンプルなデザインにする事で強烈なメッセージ性をもたせた作品が特徴。
大量生産・大量消費の現代社会であらゆるイメージが記号化され「オリジナル」と「コピー」の境界線が曖昧になる中、既存の作品から素材や表現を盗用・借用して作者なりの新しい見せ方を生み出そうとした美術運動「シミュレーショニズム」の第一人者。
引用元:ボックスロゴはパクりなのか。シュプリームとバーバラ・クルーガー | info & blog undetroze
SUPREMEとBarbara Krugerの関係についてはこちらの引用元の方の記事がお詳しいです。


僕が書きたいのはそこではないので、前提情報を引用させていただきました。





知らないことは決して悪いことではないけど、自分が知っていることが全部だと思っている消費マインドは正直好きません。
※マインドが好きではないだけで、そのマインドを持った人が悪いとか嫌いとかそういう話では決してありません。


インターネットやSNSの普及で、全部の情報が手に取るように錯覚することもしばしばですが、そんなことは決してないんですよね。


こういう情報感って誰でも感じてるんじゃないでしょうか。





ブーム
冒頭で触れましたが、一時的な人気の上昇によって、大切な文脈がないがしろにされて世間に伝わるとしたらそれはあんまり好きではありません。


「今の世間は、人がブームに乗って物を買うときには、ストーリーも文脈も要らないんだよ」


先日友人にこんなことを言われました。
確かこんな内容だったかと。


なるほど確かに"ブーム"というフィルターがある以上、ストーリーや文脈は判断材料としてあるといいかもしれないけど、余分、ですよね。


感心する一方で、"約束された安心"にお金を払うってことは、合理的な気もしてしまう。

そりゃあ今の時代、計算する前から証明がされていれば、それで済んでしまいますよね。


誰かが記した"証明終わり"にお金を払う感覚


これがここ7年くらいの違和感の正体なのかなぁと思っています。
あぁ年がバレてしまう。

これは、服とかファッションのみでなく、食べ物や飲み物、電化製品や嗜好品など、人が作りし人のためのマスターピース全てに当てはまる気がするのです。



うん。



SUPREMEに原因があるとか、上に書いたみたいな消費マインドが悪いんだとかそんなことを書くつもりは決してないんです。

ただ、そうなってしまった文脈が、個人的にはなんだか寂しいなぁと思ってしまうこの頃です。




なんかあんまりお伝えすることがなくてすみません。物思いに耽る春この頃です。

この記事は駆け抜けるように書いたのでいつか消したり、修正したりすると思います。
でも大切なことだと思ったので書いてみることにしました。

価値観の押し付けはするのもされるのも嫌いですが、それでも僕がこの手で握手出来る人全員くらいとは、しっかりとそれを等価交換してお互い人生楽しいねって言ってられる人でいたいです。



こんな駄文を最後まで読んでくださったあなたとは、ぜひいつか握手したいなと、思います。


ではまた。

ezk